- 戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)
- 発売元: 新潮社
- 価格: ¥ 820
- 発売日: 2005/08
トルストイ『戦争と平和』(1864-69年)を読んでいます。
新潮文庫の工藤精一郎訳です。
全4巻のうち、やっと1巻を読了したところです。
ロシアの歴史や文化をいろいろ勉強してきたので、そろそろ楽しめるかなぁと思って、手に取りました。
大長編の看板に気圧されて、どきどきしながら読み始めたのですが、なぁーんだ、と安心。
読みなれたいつものトルストイでした。
まぁ、あたりまえですよね。急に難解になるはずないですよね。
わたしはたぶん、社交界の噂話だけで第1部を費やしちゃうようなトルストイが、大好きです。
◇◇◇
気になった箇所を引用します。
将軍も兵士も一人一人が、自分がこの人海の中の一粒の砂であることを意識しながら、自分が無にも等しい存在であることを感じていた、そしてそれと同時に、自分がこの巨大な全体の一部であることを意識して、自分の力を感じていた。
(トルストイ『戦争と平和 1』工藤精一郎訳、新潮文庫)
オーストリア軍とロシア軍の閲兵式におけるとても美しい描写です。
両皇帝が総勢8万の同盟軍します。
ぴかぴかにみがきあげられ、飾り立てられた部隊に、毛並みが光沢を放つほどつやつやに手入れされた馬。
軍隊という大きな全体の中の、「個」の複雑なメンタリティに驚きました。
単純に「個」が全体に埋没しているわけではない、というところに。
読了日:第1巻 2008年5月24日
★トルストイ「戦争と平和」(2)
★トルストイ「戦争と平和」(3)
★トルストイ「戦争と平和」(4)